ワクチンの効果と副反応
ヒブ(Hib・インフルエンザ菌b型)
- ヒブは、細菌性髄膜炎、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎、髄膜炎、敗血症、肺炎などの侵襲性インフルエンザ菌感染症を起こす細菌(インフルエンザ菌)です。
インフルエンザ菌は、毎年秋から冬に流行する季節性インフルエンザの原因であるインフルエンザウイルスとは違います。
乳幼児の細菌性髄膜炎の半分以上は、ヒブが原因といわれています。 - 日本の侵襲性インフルエンザ菌感染症の発生率は、5歳未満のおよそ10万人に1人で、発症者のおよそ10人に1人が亡くなっています(国立感染症研究所 感染症法に基づく侵襲性インフルエンザ菌感染症の届け出状況, 2013~2018年)。
副反応
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ヒブワクチンの接種による副反応は、接種部位が発くなる・腫れる・痛むなどが主なもので、ときに軽い発熱が見られることがあります。
いずれも一時的なもので、数日間で消失することがほとんどです。 - また、ヒブワクチンは製造工程に牛由来の成分が使用されていますが、ワクチンが原因で伝達性海綿状脳症にかかったという報告は、今のところありません。
小児用肺炎球菌
- 肺炎球菌は、多くの子どもの鼻やのどにいて、普段はおとなしくしていますが、子どもの体力や抵抗力が落ちた時などに、細菌性髄膜炎、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、骨髄炎、関節炎などの侵襲性肺炎球菌感染症を引き起こします。
なお、抗生物質が効かない肺炎球菌(耐性菌)が増えているので、早期に診断治療が始まっても、予後が悪い例が増えています。 - 日本の侵襲性肺炎球菌感染症の発生率は、5歳未満のおよそ10万人に6人で、発症者のおよそ100人に4人がなくなっています(国立感染症研究所 侵襲性肺炎球菌感染症の届出状況、2014年第1週~2021年第35週)。
- 肺炎球菌には色々な種類の菌があり、2013年11月1日からは13種類の肺炎球菌の成分が含まれたワクチンが使用されています(厚生労働省 小児肺炎球菌ワクチンの切替えに関するQ&A)。
副反応
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小児用肺炎球菌ワクチンの接種による副反応は、接種部位が発くなる・腫れる・痛むなどが主なもので、ときに軽い発熱が見られることがあります。
いずれも一時的なもので、数日間で消失することがほとんどです。
ワクチンの安全性
小児用肺炎球菌ワクチンは販売開始から2022年6月30日までに、ヒブワクチンは2013年4月1日から2022年6月30日までに、 予防接種をしたおよそ10万人に3人の副反応が報告されています。
しかし、厚生労働省の専門家会議では「死亡例の報告頻度は、10万接種あたり0~0.18であり、急ぎの検討が必要とされる10万接種あたり0.5を下回っている」とされています(第85回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会)。
対象者・費用
定期予防接種としての、ヒブおよび小児用肺炎球菌予防接種の対象者は、中野区にお住まい(東日本大震災に伴う被災者を含む)の生後2か月から5歳(60か月)になるまでのお子さんで、費用は無料です(参考:年齢の数え方)。
なお、長期にわたる療養(予防接種法施行規則第2条の4)や特別の事情(同規則第2条の5)のため、対象年齢で定期予防接種を受けられなかった場合、
- ヒブは、予防接種が受けられる状態になってから2年以内で、かつ、満10歳未満
- 小児用肺炎球菌は、満6歳未満
であれば、定期予防接種として、無料で接種できます(予防接種法施行令第1条の3第2項)。ご希望の場合は、下記このページについてのお問い合わせ先まで、ご連絡ください。
ワクチン接種が受けられないお子さん
- 摂氏37.5度以上の熱があるお子さん
- 重篤な急性疾患にかかっているお子さん
- ワクチンの成分などによってアナフィラキシー・ショック(全身のじんましんや、嘔吐、呼吸困難、血圧低下などの激しい全身アレルギー症状)を起こしたことのあるお子さん
- 医師が不適当な状態と判断したお子さん
接種回数
- 定期予防接種の対象となる期間は生後2か月以上5歳未満ですが、中野区では、生後3か月を迎えられたら、DPT-IPV(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオの4種混合ワクチン)の予防接種を受けるようお勧めしています。
ヒブワクチンも肺炎球菌ワクチンもDPT-IPVも、免疫をつけるために間隔をあけて数回の接種が必要です。
予防接種は医療行為であり、医師の判断によって、法定された接種間隔で接種できない場合もありますので、実際の接種に際しては、予防接種スケジュールなどを参考にして、かかりつけ医とよく相談して、接種漏れがないようにしましょう。
なお、医師が必要と認めた場合には、同時に違う種類のワクチンを接種することができます(定期接種実施要領第1総論18(2))。
ヒブ予防接種(予防接種実施規則 第6章Hib感染症の予防接種)
- 生後2か月から7か月になるまでに接種を始めた場合は、4回接種
- 生後7か月から1歳になるまでに接種を始めた場合は、3回接種
- 生後1歳から5歳になるまでに接種を始めた場合は、1回接種
小児肺炎球菌予防接種(予防接種実施規則 第7章小児の肺炎球菌感染症の予防接種)
- 生後2か月から7か月になるまでに接種を始めた場合は、4回接種
- 生後7か月から1歳になるまでに接種を始めた場合は、3回接種
- 生後1歳から2歳になるまでに接種を始めた場合は、2回接種
- 生後2歳から5歳になるまでに接種を始めた場合は、1回接種
接種方法
- 区では毎月、お子さんが生後2か月になる前の月末に、保護者宛てに実施医療機関名簿や接種日程等と一緒に予防接種予診票つづりを送付しています。生後2か月以降に中野区に転入したなど、予診票がない場合は、お手数ですが、予防接種予診票の交付・再交付の申請をお願いします。
- 予防接種前の注意については、予防接種を受けるときの注意にお進みください。
まず予約
- ヒブおよび小児用肺炎球菌ワクチン接種は、受けたい方が各自で医療機関と日時を調整し、その医療機関に出向く個別接種です。
医療機関によって、接種の曜日・時間などが異なりますので、必ず事前に各医療機関にお問い合わせの上、予約をしてお出かけください。 - ヒブおよび小児用肺炎球菌ワクチン接種が受けられる中野区内の実施医療機関の詳細は、中野区予防接種実施医療機関一覧へお進みください。
- 中野区内の実施医療機関以外の医療機関での接種を希望する場合は、中野区外で接種を受けるにはにお進みください。
接種当日
- 接種当日は、母子健康手帳と予診票を、医療機関にお持ちください。
- 保護者の代わりに、祖父母など普段からお子さんの健康状態をよく知っている方が接種に同伴する場合は、委任状も医療機関にお持ちください。
詳しくは、未成年者が予防接種を受けるには、保護者の同伴が必要ですにお進みください。 - 予防接種後の注意については、予防接種を受けるときの注意にお進みください。
このページについてのお問い合わせ先
健康福祉部 保健予防課(中野区保健所) 保健予防係
中野区保健所2階4番窓口
電話番号 03-3382-6500 | ファクス番号 03-3382-7765 | メールフォーム
受付時間 午前8時半~午後5時