都内での感染性胃腸炎の報告が例年を上回っています。
集団感染が危惧される各施設においては、施設の衛生的管理などに注意し対策を行ってください。
例年、都内でも11月から5月にかけて、保育所等を中心に腹痛、下痢、おう吐を主な症状とする「感染性胃腸炎」の集団発生が多数報告されています。
感染性胃腸炎とは
感染性胃腸炎は、細菌やウイルスによるおう吐下痢を主症状とする感染症です。原因はウイルス感染(「ノロウイルス」「ロタウイルス」など)が多く、空気が乾燥し寒くなる秋から冬に流行します。特にノロウイルスを原因とする場合、学校や保育園、社会福祉施設など集団生活の場で大流行することもあり注意が必要です。
感染経路と症状
感染経路
ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、ヒトからヒトへの感染と、汚染した食品を介しておこる食中毒に分けられ、次のような感染経路があります。
- 感染した人の便やおう吐物に触れた手指を介してノロウイルスが口に入った場合
- 便やおう吐物が乾燥して、細かな塵として舞い上がり、その塵と一緒にウイルスを体内に取り込んだ場合
- 感染した人が十分に手を洗わず調理した食品を食べた場合
- ノロウイルスを内臓に取り込んだカキやシジミなどの二枚貝を、生または不十分な加熱処理で食べた場合
ノロウイルスは感染すると下痢等の症状がなくなってからも1週間程度、ふん便とともにウイルスを排泄しますので調理者は特に注意が必要です。
症状
下痢・吐き気・おう吐・腹痛・発熱などで、症状の持続期間はノロウイルスの場合は1から2日間ですが、ロタウイルスの場合は5から6日間持続することもあります。
下痢やおう吐が続くときは、脱水症状にならないよう水分補給に努めましょう。乳幼児や高齢者の場合は重症になりやすいので、脱水症状がみられたら、早めに医療機関を受診しましょう。
予防方法
手洗いの徹底
外出後やトイレの後、また調理の前や食事の前には石けんと流水で手を洗いましょう。
(アルコール消毒は効果がありません。)
手洗いが最も大切です
食品の十分な加熱調理
85℃以上で90秒以上加熱することで感染力は無くなります。食品は中心部まで十分に加熱しましょう。
感染を広げないためには
おう吐物の適切な処理
処理をする時は、使い捨て手袋・マスク、エプロンを着用して、換気しながらペーパータオル等で静かにふき取ります。おう吐物は遠くまで飛び散るので、広い範囲を消毒します。処理後は必ず石けんと流水で手を洗いましょう。
消毒の方法
アルコール消毒は効果がありません。
汚染された床やトイレの便座等は0.1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液で浸すようにふき取ります。ふき取った後のペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して燃やすごみとして処分します。
汚染された衣類や寝具類は、付着した便やおう吐物を取り除き、0.02%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に30から60分間漬けるか、熱湯(85℃以上)に90秒以上漬け、他の洗濯物とは別に洗濯します。よくすすいで日光に干すか、乾燥機を使用すると効果的です。
- 手洗い・消毒の方法(家庭向けパンフレット)(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
- 手洗い・消毒の方法(社会福祉施設等におけるノロウイルス対応標準マニュアルダイジェスト版)(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
関連情報
お問い合わせ
健康部保健予防課感染症予防係
〒116-8502荒川区荒川二丁目11番1号
電話番号:03-3802-3111(内線:430)
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